飛騨国府『金蔵獅子』(県指定無形文化財)

古くから町民に親しまれてきた金蔵獅子は、国府を代表する祭礼行事である。
村を乱す悪い獅子を男神・金蔵と、女神・お亀がこらしめるという物語を、勇壮活発な独特の踊りでユニークに表現したもので、地方の特色を受け継ぐ郷土芸能として高い芸術的評価を受けている。

(その由来)
この獅子舞は、古く飛騨の国府があったこの町に、氏神祭典奉納行事として伝わるものでその由来は.....。
猿田彦命と天細女命とが、天照大神の御霊を奉じて伊勢五十鈴川上流に向かう途中、猛獣や悪神に遭い成敗しながら進まれたその一縮図であるという。
また太古の時代に住民の狩猟を主とした遺風を、神社に奉仕した僧侶が例祭当日に田楽の舞として奉納したものであるとも云われ諸説がある。

この獅子舞では全く古典的尚武的で特に獰猛な獅子を退治し、国土の安穏を図ろうとする勇気溌刺とした金蔵の活躍は純情熱血にあふれている。


(金蔵獅子祭礼日)
 5月 3日(国府町金桶)   冨士神社
 5月 4日(国府町広瀬町) 広瀬神社・度瀬神社
 9月15日(国府町上広瀬) 加茂神社・諏訪神社

(お問い合わせ)
 国府町役場商工観光課・国府町観光協会
 TEL(0577)72-3111(代) / FAX(0577)72-3851
傍らではお亀が「ササラ」を摺り鳴らしながらユーモラスに金蔵の動作をまねる。

随所に悲劇活劇を織り込みながら幽雅な笛や太鼓と共に演出している。

(演技のあらまし)
天狗面をつけ鶏毛冠をいただき、 手甲短衣に身を固めタスキをかけた男神「金蔵」が、短棒を握り終始獅子の前面に立って活躍し獅子の進路をさえぎる。
その威圧に耐えかねてか、獅子の気力がやや衰えたのを見て金蔵は獅子の背にまたがる。
しかし獅子は憤然として金蔵を大地に振り落としいろいろと逆襲を試みる。

お多福面をつけ派手な模様の婦人衣をまとい両手にササラを持った女神「おかめ」は、常に獅子の後方にあって金蔵の行動を真似し囃したてる。

たまたま金蔵が獅子の背から振り落とされ苦しむときなどは、金蔵の手を撫で足をさすったりするが、金蔵がこれを嫌ってあるいは打ちあるいは蹴 ったりする。それでもひるまず金蔵の介抱に努力する。

獅子が進めば金蔵も進み、獅子が退けば金蔵も退き、格闘の末にようやく金蔵は獅子を地上に押し倒し、遂に後頭部を短棒で刺して獅子を退治する。
そして、今は屍となった獅子にまたがり仁王立ちとなって天を仰ぎ凱歌を奏でるのである。
(ホームページ「Information of HIDA 」国府町紹介ページより)

「金蔵獅子(広瀬神社境内案内板から)」
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