家庭料理 鳴 子
佐々木 冨貴子


MESSAGE FROM
"FUKIKO"

この度都合により2月1日を以って閉店させて頂くことになりました。
長い間ご愛顧を頂き誠に有難うございました。
皆さまのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

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夜になると俄然輝きを増す栄は住吉町界隈。

こんな所がと思えるような、二人並んで歩くといっぱいいっぱいの「住吉小路」に分け入る......と、突き当たり左にお目当ての家庭料理の店「鳴子」がある。
路地に漏れる灯りに誘われ暖簾をくぐると、女将さんの明るい声が待っている。そして勤めを終えた一人娘の由貴ちゃんも甲斐々々しく....思わず「ただいまア」と言ってしまいそうな、まさに「家庭の味」の素敵なお店なのだ。

店名の由来は女将さんが「鳴子温泉」の近くの出身であることからとか。酒は「黄金澤」「高清水」「浦霞」などちょっと辛口の東北の地酒。

料理は全て女将さんの「手料理」というのが人気の秘密。夏の「長芋豆腐」、冬の「しょっつる鍋にキリタンポ」ときたら堪らない。
シーズンになるとカウンターでさえ予約しておかないと締め出されてしまうほどの繁盛ぶりである。        

美人女将に送られ、ほろ酔い気分で友と歩む狭い路地......まるでドラマのラストシーンではないか。

余談ながら2階の客間には大きな「鳴子こけし」とともに、女将さんが生家を描いたという油絵の大作が懸けられているのである........。

平成25年の年明け早々閉店の報に接しわが耳を疑ったが、確かに住吉小路から「鳴子」の灯が消えたのである。長年親しんだ温もりを失ない一つの時代が終わったような喪失感に見舞われている。(H25/2/1))