立てる自画像(1924年初秋)
野獣派の巨匠ヴラマンクから「このアカデミック野郎!」と怒鳴られ、混乱と失意の中で描いた自画像。絵肌は荒れ、顔は無残にナイフで削り消されている。悄然と立ち尽くすその姿に打ち砕かれた自信と、辛い模索の時期を迎える不安と決意が滲んでいる。「急に人が変わったようになった」とは米子夫人の回想で、祐三が受けたショックの大きさが偲ばれる。(73.5×48)大阪市立近代美術館建設準備室所蔵
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