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98  豆蔵の旅『琵琶湖・近江路』
平成28年10月27〜28日


(10月27日)
4年ぶりに企画した豆蔵クンの旅は琵琶湖・近江路を巡ることに。
前回の河口湖・葉山以来だから随分のご無沙汰である。従って少々力が入り犬連れOKの宿にしては値段が高いが人気も高いと評判の琵琶湖東岸にある「ホテル ビワ・ドッグ」一泊を策したものである。
旅の「御師」(プロデューサー)は今回も相棒(女房殿)で、旅雑誌やI'padなどを駆使してのプランニング。メイン・キャストの豆蔵はこの日のためにトリミングしたばかりのシャンプーぷんぷんの男前だ。
空模様は今日は晴れだが下り坂、明日は曇りのち雨と予報されているので豆蔵が喜びそうなプログラムは今日が勝負とみて早めに出発した。高速道路を走って八日市ICへ、最初の観光先は永源寺近くにある「池田牧場」、のんびりと牛が草をはむ広い牧場をイメージしていたのだが出かけた場所には小さな山羊牧場があるだけ、山里風のレストランも予約制でシャットアウト。近くの遊歩道を豆蔵を連れて散歩しただけで誤算のスタートとなった。
準備不足を後悔しながら相棒(女房殿)が繰り出した次の一手は近江商人発祥の地五箇荘(東近江市)にある古い商家の蔵を利用した食事処「楽ごろうさん」で昼食を摂り付近の商人屋敷を散策するという作戦である。
さっそく予約を入れナビをセットし愛知川沿いの五箇荘に向かった。
細い路地を入った所で目的地到着を告げられたものの周りを見渡してもそれらしき店が見当たらず難渋、三度目の電話でようやく見つけたが、なんと「近江商人博物館」という大きな建物の中に入居していて、店の名前も「紫陽花(あじさい)」と似ても似つかぬ変わりよう。相棒が調べた旅雑誌が古すぎたのかも知れぬが、電話での照会に一言付け加えられなかったかと些か不満、同じ電話番号を使っているのだから尚更のことである。
食べたランチ「チキンナンバン」がなかなかの味で機嫌を直し、そのまま博物館を見学して近江商人の何たるかを勉強することにした。その間豆蔵は車の中でコングに詰めたおやつと格闘・・・・・といった具合であった。
そして早めにホテルに向かう。
今宵の宿、「ホテル ビワ・ドッグ」は愛知川河口近くの湖岸に面していて広いドッグ・ランの設備があるとのことで好天の今日のうちにしっかり堪能して貰おうとの親心である。

3時を少々回った頃に到着した。
本格的な大型ドッグ・リゾートとの触れ込みに違わず、松林の先に湖岸を望む3階建ての瀟洒なホテルであった。
駐車場に車を停めるといつの間にか係の女性が手押し車を押して迎えに現れ、チェックインの手続きも誠にスムーズ、ロビーではハロウィン(10/31)仕様に飾った撮影コーナーがあり記念写真のサービス、部屋に案内されるとドアには「豆蔵ちゃん」の名前入りの歓迎色紙が飾られているという念の入れようである。部屋の仕様や設備は至れり尽くせりの清潔感溢れるものでうるさい相棒も感心しきりであった。
部屋に落ち着く間もなくまずは水辺で遊ばせようと散歩に連れ出したものの冷たい風が強く早々に退散、湖面に白波が立つ程でウィンド・サーフィンには適しているのか数人の若者たちの姿があった。
それではと松林に遮られて風の届かないドッグ・ランに廻る。すでに数匹のワンチャン達が駈けまわっていた。リードを外すと豆蔵は待っていたかのようにダッシュ、以前のように臆したところが全く見られない。伊達に年を取っているのではないと云わんばかりである。子牛のように大きなバーニーズ・マウンティン・ドッグ(6歳46キロ)にも正面から睨みあう場面があり、ハル君という名の2歳のミニ・プードルと大の仲良しになって遊んでいた。 友達のウィーペットと同じ名前なのが気に入ったのかもしれない。全力疾走で猛進し足が滑って転倒するお茶目なところも披露するなど実に頼もしい豆蔵であった。部屋に戻り大風呂へ、さすがにここだけはワンチャン同伴とはいかない。ゆっくりと疲れを癒して6時から夕食となる。

レストランは満席状態、各席にはワンチャン用の乳母車が用意されていて、ワンチャンの目線が卓上で交錯するという演出である。その先にはおやつのプレゼントが置かれていた。希望があれば特別にワンチャン用のディナーが用意されるということであったが、食べつけないものでお腹を壊す恐れがあり、いつものドッグ・フードを持ってきている。
運ばれてくる料理は和洋折衷のフルコースでメインディッシュは近江牛のステーキというチョット豪華なディナーだ。下戸の相棒もグラス・ワインを飲み干すほどで如何にも満足気である。
むずかる赤ちゃんをあやすように時折係の女性がやってきて豆蔵に愛想を振りまいたり、おしっこ散歩に連れ出してくれたり、写真を撮ってくれたり、ここでも至れり尽くせりのサービスぶりであった。
隣の席にはドッグ・ランで仲良しになったハル君一家が居て愛犬談義に事欠かずといった具合で想像通りの実に楽しい時間を過ごすことが出来た。
豆蔵もいつもと違う時の流れに疲れを覚えたか終始乳母車の中で過ごす。おやつをふんだんに貰え卓の上に首を載せた満足気な顔にはどうやら眠気が浮かんでいるようだ。
豆蔵はどう思っているのか聞いてみたいものである。
部屋に戻り就寝、豆蔵はチャッカリとベッドの端に寝場所を見付けていつの間にか丸くなっていた。

(10月28日)
薄曇りの空がしらじらと明け始めていた。
6時起床、仕度を始めると待っていたかのようにはしゃぐ豆蔵を連れ出して湖岸に出る。風も無く水面は穏やかで鳥の群れが浮かんでいた。そろそろ渡り鳥がやってくる季節なのかもしれない。昨日は打ち寄せる白波に腰が引けていた豆蔵が今朝は水際まで行き珍しそうに鼻を突きだしていた。
砂浜をしばらく歩いているうちにスケッチ・ポイントを見付け豆蔵を部屋に戻した後にスケッチ道具を持って再び湖岸へ、我ながら呆れる朝の忙しさである。
ワンチャン連れで散歩を楽しむ人影が増えてきた。
8時朝食のテーブルに座る。豆蔵も昨夜と同じようにテーブル脇へ。
朝の活躍で食欲も完全に戻り、和様仕立てのいかにも胃に優しそうな献立にお代わりをするほどの健啖ぶりである。すでに朝食を済ませた豆蔵は大人しくしていたが、暫くするとむずかり始め抱っこをせがむ。おやつを小出しに宥めながら食事を終える。
ゆっくりと身支度を整えて10時少し前気分よくホテルを後にした。
午後から雨になるとの予報を気にしながら、ナビを大津市唐橋にある近江牛の老舗「松?屋(まつきや)」にセットし出発した。息子の誕生祝に近江牛を送ろうという相棒の要望に沿ったもので、時間によってはそこで昼食もと、まずは湖岸のさざなみ街道沿いの琵琶湖の景観を楽しみながら琵琶湖大橋経由で走ることに・・・・・。距離的にもその方が断然近いとの相棒の主張を鵜呑みにしたのだ。
ナビは内陸の方を指示し続けるが「悪いなあ」と思いながら無視を繰り返し走る。大橋を渡ればナビも諦めるだろうと思ったが、それでも大橋に戻るよう執こく指示しつづけるので少し変だなと気付く。改めて地図を確認して西岸の坂本近くの唐崎と勘違いしていたことが分かった。すでに遅し、混雑する大津市中心街を通るなどツケを払わされて正午頃ようやく目的地に到着した。
「瀬田の唐橋」近くの古い街中に一目でそれとわかる三階建の和様建築で大きな看板がかかっていた。「松?屋(まつきや)」は明治16年創業という老舗、近江牛の名を全国に広めた由緒ある店で佇まいに風格が滲む。
少し離れたところに数台ほどの駐車場があり、コングに積めたおやつとともに豆蔵を車内に残してお店へ、さっそく誕生祝を手配し二階に併設されているレストランで昼食(焼肉重)を摂ることに。
焼肉ですっかり立ち直った相棒の提案で琵琶湖大橋の近くにある「佐川美術館」へ寄ることにした。
瀬田の唐橋を渡り琵琶湖東岸のさざなみ街道を北上する。稲田は穫り入れを待つばかりの豊かな黄金色で、湖岸は全て公園や遊歩道、船泊りとして見事に整備されていた。
佐川美術館は佐川急便が創業40周年記念事業として開館したもので、広い水庭に浮かぶように2棟の大きな平屋の大屋根が(切妻造り)並ぶ特異な構えに目を見張る。周囲の欅林も色付き水面に映えて秋の趣を漂わせていた。
平山郁夫(日本画)や佐藤忠良(彫刻)楽吉座衛門(陶器)の常設コレクションが目玉で、特別展示室では薬師寺の宝物を中心に「三蔵法師展」が開催されていた。約一時間程の観賞で切り上げたが、もう少しと思いつつもやはり待ちぼうけの豆蔵が気になるのである。午後2時過ぎ美術館を出る頃には本格的な雨になり、あとはナビに任せて家路を辿ることに・・・・・。
栗東ICから名神高速道路に入り雨中の運転、疲れは覚えるもののDEMIO君の快調な走りに殆ど渋滞も無く5時前に無事帰着した。
総走行距離は370Km、後部座席で長時間揺られ続けの豆蔵であったが今回もノントラブル、車に強い豆蔵クンの面目躍如といったところで、今回の旅でまた一回り成長したのでは・・・・・。
誠に頼もしい豆蔵であった。
その豆蔵クンは殊勝にも『豆蔵日記』に紀行文を寄せています。御一読を!
今回の旅の教訓「ナビを信じよ」・・・・でした。

(了)