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43 伊勢志摩の旅・夕陽の浜平成19年2月7日〜8日
今年最初の「美しい国・日本見つけ旅」は伊勢志摩への一泊ドライブ。
今回は相棒(妻)の提案だが、夕陽と温泉が売り物という「ホテル志摩石亭」へ出かけようとの企画である。 その地名も志摩市浜島“夕陽の浜”一番地・・・・・とは言うもののお目当ての夕陽はお天気次第で曇ったりしたらそれまで、魅力は半減してしまうまさにギャンブルであった。
しかし、天佑かな!小春日和の絶好の晴天に恵まれたのである。
2月7日(水)
午前10時家を出る。
「何が高速か」と年度末恒例の工事渋滞に悩まされながら午後1時伊勢市に着く。
軽い昼食をとったあと鳥羽・真珠島を見物、さすがに海風はひんやりと心地よく空は澄み切っている。銀細工に凝っている相棒にとっては恰好の目の保養になったようだ。
鳥羽から国道167号線で鵜方に向かい浜島の海岸を縫うように走る。英虞湾から熊野灘を望む黒崎海岸に出ると、すぐそれとわかるホテルに午後4時半予定通り到着した。
海辺の崖っ縁に建っていて、案内された部屋は最上階の7階であった。
眼下に西向きの海が広がるまさに“お誂え向きの部屋”だったが、やはり美しい砂浜を歩きながらの夕陽に優る感動はなかろうとさっそく連れだって浜に降りる。 すでに陽は大きく傾き空は水平線ごと夕焼け色に染まって完全にサンセット・モードに入っていたが、
長い砂浜には釣り客一人と、夫婦連れが一組だけの静かな冬の海岸であった。
日没は5時8分、島影の上に浮かんだ黄金色の夕陽は沈んでいくにつれて次第に大きくなり輪郭が鮮明になっていく。
凪を迎えているのか打ち寄せる波音も穏やかで、さらに傾く夕陽がきらきらと波頭に散っていく。
薄紅色に広がる空は海際から次第に赤紫色に染まり日没とともにそれは青紫色に変り始めた。
賑やかに輝いていた海は一気に沈んだ表情になり、あとはもう夕闇を待つばかりのモノクロの世界へと劇的な変化を見せていく。
かくしてほんの数分間の美しくも感動的な天空ショウは終演・・・・・・。
さすがに売り物にしているだけのことはあり、雲ひとつなく晴れた天佑にただただ感謝するばかりで、相棒も感動を隠しきれない様子であった。 デジカメで瞬間のいくつかをゲットできたが残念ながらスケッチをする暇などあるはずも無かった。
ホテルに戻り今度は温泉に浸かる。
露天風呂からは夕陽をたっぷりと飲み込んだ残照の海を眺めてさらに余韻に浸る。
湯上りの夕食の卓には伊勢海老や鮑など浜島ならではの海鮮料理が並び熱燗の地酒を傾ける・・・・が、何といっても目に焼きついた“美しい夕陽”が最高のご馳走であった。
2月8日(木)
今日も穏やかな青空が広がる。
スケッチ道具を担ぎ昨日の美しき夕陽の現場へ降りた。
何とかあの感動の瞬間を描き留めんと島影や海、足元の岩肌などをスケッチ、あとで網膜上の残像と写真をもとに色をつけようと企んだものである。(上掲のスケッチ)
ゆっくり朝食をとり9時ホテルを出発。
今日はオプショナル・ツァー「伊勢神宮参詣ツァー」に参加することにしている。総勢15,6人でホテルが勧進する謂わば現代版お伊勢参りの「講」である。
まずは近くの「鼻かけえびす」に寄り大声で笑って家内安全を祈願、伊勢神宮(内宮)では正宮で御垣内参拝を行い、御饌殿で御神楽を奉納した。6年後の
平成25年に第62回式年遷宮を迎える伊勢神宮は、大きな杉木立の中に1300年の歴史を感じさせる深閑とした佇まいを見せ、大勢の善男善女が踏む玉砂利の音が清々しく響いていた。
ツァーはここで解散、鳥羽まで走って「漣」(さざなみ)名物の「えびフライ定食」に舌鼓を打ち帰路に就く。
全行程450kmのドライブ小旅行は幸いにもその目的を十二分に達成することができたのである。
(了)
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