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28  『セントレア』見聞記

平成17年3月29日


温泉仲間(ダリヤ会)4人の春。
17回目を数える今回は吉良温泉への小旅行だが、話題の「セントレア」(中部国際空港)見学を織り込んだ。何も好んで人混みの中へと思わぬでもないが、そこが好奇心に富む温泉仲間、「話の種」にと道草を食うことにしたのである。

朝8時半金山駅に集結した4人は快速特急「セントレア」に乗車、ひところのような混雑は影を潜め空席がチラホラ。少々風は冷たく強いが春の陽光に恵まれた。 所要時間はきっちり25分で、あっという間に到着したが空港島への架橋からの風景は秀逸、風が強いせいか海上には白い三角波が立っていた。
電車は空港ビル「セントレア」のアクセス・プラザ(2階)に滑り込む。(余談ながら空港そのものを始め空港ビル、ホテル、特急電車、自動車道路まで「セントレア」づくし。先頃は合併後の新市名にまで使おうとして元も子も無くした町長さんもいたが・・・・・。何ごとも程々が肝心!)
改札を出ると登り勾配の動く歩道が出発ロビーに延びる。
3階の出発ロビーには左右に国際線、国内線のカウンターがずらりと並ぶ。さすがに評判どおりの便利さである。自動機も配備されていてどのカウンターも旅行客の姿は少ない。
中央の広いエントランスは開港時見物客で長蛇の列が出来た場所だが、既に40日を経過しすっかり落ち着いて今はその気配もない。それでも旅行客より見物客の方が多いようで春休みを利用した家族連れの姿が目立つ。「空港そのものを観光スポット化」する思惑が見事に的中している様子だ。

正面のエスカレーターで4階のスカイ・タウンへ行く。
人気の「レンガ通り」商店街や飲食店が並ぶ「ちょうちん横丁」を歩く。そして話題の銭湯「宮の湯」を見つけたが、温泉仲間としては意地でも看過できず粛々と暖簾をくぐる。幸い午前中のせいか客も少なく我々の他には10人も居ただろうか、風呂場を始め全体的に想像していたより狭い感じであった。空港に銭湯とは誠にユニークではあるが、窓外に離着陸する旅客機を望見できるもののスカイ・デッキの付け根部分にあるせいか視野が狭くやや期待はずれの感は拭えない。
それでも少年のごとき好奇心は十分満たされ、証拠写真を撮ろうとデジカメを持ち込もうとして見事にチェックされてしまうというお粗末なおまけ付き・・・・・。
風呂を出るとスカイ・デッキへ出てみたがここも家族連れで賑わっている。(写真)
帽子も吹き飛んでしまいそうな強風の中を矢じりのように突き出た先端まで行く。ラッシュ時間帯なのか強風をものともせず次々と離着陸する旅客機の迫力に魅了される。国際空港らしく機体に外国のマークが目立っていた。
そろそろお昼時と「ちょうちん横丁」を徘徊するがどの店も10人以上の待ち行列が出来ていた。
店の広さと行列人数を天秤にかけながら選んだ店が台湾ラーメン店、20分も待っただろうか仲間でだべりながらの待ちは全く苦にならないが、いくら横丁とはいえ通路が狭いのはちょっと頂けない。
賑やかな食事のあと店を出たところで特筆すべき事態にでくわした。

「当家の主」で「時の人」でもある中部国際空港兜ス野社長を見つけたのである。現場主義を徹底する氏の姿を目の辺りにして大感激、さっそく記念写真をお願いしたら快く応じて頂いた。(写真)
見聞記に花を添える素晴らしいハプニングであった。

腹ごなしに三重県方面を結ぶ高速船の乗り場などを見物し予定の行動を終えて空港を後にした。
遠ざかる空港島を眺めながら凄いものを作ったものだと改めて感嘆、工事費を予定の85%で完成させたという敏腕平野社長のにこやかな表情がダブッて浮かんだ。
対照的に常滑側の前島は当てが外れてままならず、荒涼とした埋立地が広がり工事の槌音も聞こえぬでは何とも侘しい限り、使ったお金の回収はどうなるのか心配になってくる。

かくして満足顔の4人は金山駅に戻り吉良温泉に向かったのである。

(了)