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13  武ちゃんの”お四国歩き遍路”

       平成15年6月1日(日)




我らが”武ちゃん”こと武内 惇君が、定年後の願望と称して準備を進めていた”お四国歩き遍路”を実にあっさりと実行してしまった。
阿波の国1番札所霊山寺(鳴門市)を皮切りに八十八ヵ所巡礼の修業を開始したのが4月23日。
無論全行程歩き遍路(通し打ち)の旅で阿波、土佐、伊予、讃岐と数珠繋ぎの88寺を巡る「四国一周」、歩行距離は実に1100余キロにも及ぶ難行である。雨の日も風の日も一日も休まず多い日には40キロをこなす健脚ぶりで、38日目の5月30日ついに88番札所大窪寺を打って満願成就、翌31日高野山に参り見事「結願」を得た。
50才の男性の足で50日内外はかかるという難行であるが、聞けば太極拳の日課を欠かさず時には写生をしたり名所を見物したりと余裕のある巡礼ぶりで、人一倍の煩悩から解き放たれたかどうかは別として、その若々しい体力、気力は驚くばかり.....。
「南無大師遍照金剛」(弘法大師)に導かれ悟りを開き生まれ変わった?清須村晴耕雨読氏の面目たるや誠に躍如たるものがある。

お遍路開始翌日突然入った携帯メールがきっかけとなり、自分もあやかりたいと案内書を買いこんでバーチャル遍路と洒落こむことになった。
心暖まるお接待など臨場感溢れるメールに想像力を逞しくしながら応える交信は、壮挙へのエールになったかどうかはわからないが、一緒に歩いているような幸せな気分に浸らせて貰った。心から感謝しつつ了解を得て、以下にその行程と交信記録を掲載する。
(写真は武内君の「勇姿」と八十八寺+高野山の御宝印が完全にそろった法衣(帷子))

番号・寺名
km
行程
歩 き 遍 路 氏 の 「吐 息」
お 返 事 「伴 歩」
 1 霊山寺
 2 極楽寺
 3 金泉寺
 4 大日寺
 5 地蔵寺
 6 安楽寺
 7 十楽寺
 8 熊谷寺
 9 法輪寺
10 切幡寺
11 藤井寺
12 焼山寺
49.5
阿波入
4/23
4/24
■阿波は田植、煙草栽培、煙が上っていた。初日の"南無大師遍照金剛"行脚はついつい頑張り8番札所熊谷寺まで歩いてしまった。今日の歩行距離は番外札所も参拝して28kmになっている「Virgin try」にしては、ちと『ヤリ過ぎた』か。
されど、足摺岬の行程では一日40km超の負荷も覚悟とかで、その予行演習と考えれば儲けもの。いろいろの人(Single or Couple)が歩いていて『人間Watch』も楽しい。下校途中の小学校女の子集団に手を脚に添えて『こんにちは』と頭を下げられたりして、お四国の遍路文化の一端?も覗いた....ではまた。(4/24 pm15:19)
■待っていた第一報、いよいよ発射といったところか。初日28kmとは恐れ入った健脚!しかしあまり張り切り過ぎないように。今日はこちらは雨模様、四国はどうか。健闘を祈る。(4/24 pm15:30)
13 大日寺
14 常楽寺
15 国分寺
16 観音寺
17 井戸寺
18 恩山寺
19 立江寺
20 鶴林寺
114.5
4/25
4/26
■"南無大師遍照金剛"の見えざる後押し?によって、今日は鶴林寺を越えて、更に21番太龍寺も越えて来てしまった。徳島駅の近くを6:00に発って民宿に17:30着、39Km歩いた。6泊目となる。宿泊場所の計画マネジメントの失敗によるもので、かなりオーバーペースで反省しきりなり!ただし28日は23番薬王寺を通って20km程度の歩きでよさそう。
この後はいよいよ室戸岬への85kmを2日がかりだ。今日のような山中行程では飲料水コントロールもかなり大事なことがわかった。今晩は死んだようになって眠る!(27日は携帯が圏外、発信は翌朝)
■快晴の日曜日、頑張っているかな?四日目となると15番国分寺辺りかと想像しているが、もっと捗っているかも知れないね。参考書「四国八十八ヵ所を歩く」を買いその気になってトレースさせて貰っている。(4/27 pm15:53)
21 太龍寺
22 平等寺
23 薬王寺
24 最御崎寺
25 津照寺
244.5
4/27
4/28
4/29
土佐入
4/30
■"南無大師遍照金剛"の見えざる力の後押し?によって、23番薬王寺を終え、土佐の黒潮洗う室戸岬を15Kmに望む海岸で泊っている。昨日は30Km・今日は25Km歩いて(計220Km)8泊目。今のところペースは順調のようだ!明日はいよいよ室戸岬の24番最御崎寺(ホツミサキジ)札所から西に廻りこんで足摺岬への長い道程に入る。今夜は黒潮の"ゴーッ"という潮騒に耳を傾けながら、生きている幸せに感謝の念を込め、ビール瓶を傾けてから、ぐっすりと眠ることとする。Good night!(4/30 pm20:22)
■五日間で21番とは凄いね。日頃の鍛え方が違うようだ。いよいよ土佐の海の長丁場だね。太平洋の波飛沫を被って行く大師の荒行?, , 想像している。こちら出勤日荒天が恨めしいなどと淋しい限りの浮世暮らし。快報を待っている。(4/28 am9:47)

■おはよう!今日も元気だね。それにしても凄いピッチだね。昨夜の泊りは佐喜浜辺りかな。標準ペースからみると70kmもアヘッドしているね。室戸を廻り込んで足摺を見据える意気込みが伝わってくるが"足の裏"は大丈夫かな?(足摺にならないように)(5/1 am6:08)
26 金剛頂寺
27 神峰寺
279.5
5/ 1
5/ 2
■9泊目の朝を室戸岬を左に望む室戸市外れの海岸の宿(26番札所金剛頂寺の麓)で迎えた。夕食後は床で横になるより仕方ないので、小生も貴兄のように『早起き鳥』になって4:30頃に目が覚める。これから海岸に出て朝のお勤めの太極拳でリズムを整えてくる。
昨日の寝屋は貴兄の推測とおり図星で佐喜浜町だった。漁港からホエールウォッチングの船が出る町だ。超過疎の室戸市は市制を敷いたとき人口30,000人あったが、今は19,000人とかで清須町並み、深層海洋水の企業化などを産学で智恵を絞り、生き残りを計っている。今日は35kmぐらいの行程となるか。(5/2 am5:55)
■おはよう!室戸を回り込み、いよいよ長途「土佐修業の道」に差し掛かった訳だ。約260kmとなっているが我が家から高山の実家まで往復する距離に匹敵する。この部分だけでも大変な壮挙!なんだか羨ましくなってきた。これから出勤、健闘を祈る。(5/2 am6:21)
28 大日寺
317.8
5/ 3
■阿波土佐の海浜は何処もゴミが打ち上げられていないのがいい。海流の関係だろうか?海の色もエメラルドグリーンで潮の香りもとても豊かだ。だが砂浜が年々極端に縮小しているとのことだ。山は杉が多く緑も深い。海岸近くの山には椎木がたくさん生えていて、今は白い花が咲き終わり萌えるような黄緑の葉とのコントラストがとても美しい。水彩でも, , , , ,ようやく遍路のリズムが分かって板についてきた。
6:30朝食 7:00出発 15:00過ぎに宿に着く、まず洗濯、風呂、麦酒。休憩時間は地図見、水飲み、昼飯、参拝の時のみ、ひたすら歩を前に進めていると30〜35km余となる。18:00夕食、地元産の銘酒を少々いただいて → 明日の作戦を練る 以上。(5/3 am5:33)
■土佐の海か!いいね。すっかりお遍路が板に付いてきたようだ。メールを読んでいると白い砂浜と碧い海が目に浮かぶ。スケッチもいいが"言葉のスケッチ"もいいね。今どの辺りかな?こちらも好天、連休後半は天気に恵まれそうで、明日明後日と飛騨路へ。山菜と山奥の般若湯を楽しんでくる。G00d luck!!(5/3 am8:13)
29 国分寺
30 善楽寺
31 竹林寺
340.5
5/ 4
■明日は概ね30km余の道程があるので今日は安息日なり。30番善楽寺を打って5km程のビジネスホテルに14:00チェックイン(素泊り4,700円)してエンジョーイしている。
2時間も早くベッドメーキングしてもらい、洗濯、シャワー、昼寝を少々。6時に目が覚めて近くの赤提灯『寛』にて夕餉。今日まで土佐の民宿で4日連続『鰹のタタキ』が出てヤヤ食傷気味なり。今宵は捕れたての近海マグロとアジの造りで乾杯!!当然地酒は般若湯『土佐鶴』ヤヤ甘口だったか?・・・明日は35番清龍寺まで打って泊。足を引き摺りながら挑む童貞?に入る。(5/4 pm20:38)
■名所桂浜近くで鮪や鯵の刺身で乾杯なんざア粋なもんだね。坂本竜馬も羨ましがっているぜキット。こちらは高山から帰宅したところだが初夏とは言え30度近い気温にはうんざり、土佐も熱いだろうね。紫外線と潮風で真っ黒になった『武チャン焼き』を想像している。今日もそろそろ宿入りか?お疲れさん。今日で全行程の3分の1を越したことになる。体調には細心の注意を! (5/5 pm16:38)
32 禅師峰寺
33 雪蹊寺
34 種間寺
35 清瀧寺
36 青龍寺
37 岩本寺
440.3
5/ 5
5/ 6
5/ 7
5/ 8
■35番清瀧寺と36番青龍寺は「サンズイ」があるか無いかの紛らわしい隣どうしの寺で、35番を抜かして回る輩もいるらしい。多分弘法さまのご加護に恵まれなかったのだろう。
話は変わるが、新横綱の若い頃に相撲留学?していた『明徳義塾』は青龍寺のすぐ近くにあって、寺の長い石段や奥の院への急登攀で鍛えていた時期があり、朝潮がシコナの一部に頂戴したとのこと。学僧空海が遣唐使時代の留学先が西安の青龍寺という寺。こちら土佐の寺の山号は独鈷山、由緒ある寺とのことだ。夕食はシイラ刺身、子持キビナゴの唐揚げと酢の物、生ジャコ〜海の幸。酒は辛口の『司牡丹』 よか夜でした。 (5/7 am7:50)
■こちらは雨、土佐はどうか?清瀧寺と青龍寺の話は面白かった。「清らかな瀧」と「青い龍」では全く違うね。朝青龍の由来もわかった。朝潮親方も粋なもんだね。37番岩本寺までは55キロの長丁場、頑張りたし。(5/7 am8:35)
38 金剛福寺
527.0
5/ 9
5/10
5/11
■岩本寺参拝、400キロを越える。岩本寺はチョット変わった寺で本堂の天井絵がおかしい。35×25マスに内外の有名な絵画が複写(地元を中心に絵心ある8〜88歳が描いたと)されていて、一枚一枚たぐっていったら首が痛くなった。
中にはマリリンモンローの肖像画なんかもあるのには驚いた。他にも、寺のご本尊は普通一つなのが、この寺は不動明王、観音菩薩、阿弥陀如来、薬師如来、地蔵菩薩と五つも欲張ってある。ご利益も五倍ある?と思ってねんごろに納経してきた。参道近くの割烹旅館に宿をとった。座敷と二間続き・縁側、庭つきの部屋で檜風呂も悦に入った。夕餉もGOOD! 昨日は25Km歩けり。 (5/9 am5:30)

■来週あたりの「みわ」での傾杯に一緒に行けなくて残念だ!!三輪真寿美代表取締役社長に書いてもらった"健康祈願"の納め札は1番霊山寺に約束通りチャンと納めた旨伝えておいてください。88番はこれからだよとも。
『お四国さん』17泊目を迎えるわが社は文字通り全ての欲望を遮断して極めて真面目にやっているんだと! 但し、各寺の本堂と大師堂では律儀に般若心経を必ず唱えているので、見返りに『般若湯』だけは少々いただいていると.......NHK深夜便でニュースを聴く以外、新聞・テレビも見ずの情報遮断。景気・世情は如何なりや? (5/9 pm19:41)

■昨日は足摺まであと18kmの所まで30km余歩いて宿に入った。途上で2名の僧とコミュニケーションが出来た。1名は徳島県海部町の禅寺で一月にボスから一年間の行脚修業の命を受け、全国何処でもよいのだが『お四国さん』になってしまって四回目の遍路中だと。檀家が少ない寺なので普段でも大阪辺に托鉢に出て生計の足しにしている。現在54歳。小生、名古屋から来た63歳の初遍路だというと、姿勢が正しく歩くのが早いと誉められ、遍路で唱えるお経発声の指導を受けた。本日の野宿場所を探していた。小生、干柿四個を施し別る。
他の1名は高野山の修行僧で、九州門司生まれの24〜25歳。これまた入門してから、ボスに一年間は面倒を見てもらえたが、すぐに遍路修業に出されて二年半になる。四国霊場を12回廻って現在13周目の最中とか。13万円持って出たが今は無一文。ボスは水と塩があれば、一週間は生きられるというが、自分は四日半が限度だ。ここ2、3日食べていないというので、ザック内の非常食残り四個の干柿を施す。小生の泊る宿の前まで一緒に歩いて別る。別れ際にポケット内にあった小銭全部(700〜800円?)を施す。これまた今夜の寝屋を探せり。(5/11 am5:31)
■今日はチョット肌寒さを感じるぐらいだが、土佐の浜辺は如何かな。岩本寺を打って着実に攻めているね。二つ部屋の宿とは豪勢なもの。そろそろ人肌が恋しくなったりして....無垢な行者に向って不遜なりや?来週あたり中間報告に「みわ」へと思っているが如何?ではまたGOOD LUCK(5/9 am11:23)






■窓外に黄金色の太陽がまぶしい。土佐湾の豪快な日の出を想像している。真寿美社長への伝言心得た。「白装束の得体の知れぬ集団」(お四国さんではない...)が我が飛騨地方を迷走中、以外さしたる浮世のネタも無い。ひたすら道をきわめる「南無大師遍照金剛」を応援するものなり。(5/10 am6:02)



■ うーん。ひとくちに修行僧といっても厳しいものだね!この時世、施しもままならないのだろうね。四国だから特別信心深い人が多いとも思えぬが。彼等は何を考え、何を目指しているのだろうか。ひたすら今日の今を活きることだけを念じて歩いているのだろうか。干柿が無くなってしまったが、何か貴重な体験を重ねているようで羨ましい気もする。ところで足摺岬へあと18キロか、四万十川も指呼の間、頑張って―(5/11 am7:01)
39 延光寺
585.6
5/12
■(遍路=全天候型歩行=楽しさ)日常の暮らしでは、とてもじゃないけど出来ない愚行を「何の躊躇もなく・平然と・恥かしくなくやれる.......」自分がかなり"お四国馬鹿"になってきている証拠??天気が下り坂だったので足摺岬での達磨型日の出観をあきらめて、38番金剛福寺へ18キロ地点に宿をとった。夜半から強風豪雨、夜の内に降ってしまえ!と念じるも、出発の朝7時になっても変わらず覚悟を決めて土砂降りの中、雨ガッパをまとって往復36kmの行程へ荒波が打ち砕ける岩場を眼下に観ながら、ひたすら雨中の愚かしい歩みの7時間。日常生活では考えられない。
今日(5/12)土佐最後の寺、39番延光寺へ36kmの行程も終日カッパを纏った雨の7時間だった。二日間も雨中にひたすら歩を進める馬鹿さ加減は一体なんなのだろうか???今夜は名宰相吉田茂の地元である宿毛市の39番 延光寺のふところ近い宿に抱かれて寝る。
民宿のおかみさんと夕食時に雑談していたら、吉田茂の父親が妾とつくった子が数人いて、これみな笑くぼがあって吉田茂そっくりで、共産党の議員がいたりして、みんな非常に頭が良かったんだって・・・ タネがイイんだよねー! Good night (5/12 pm19:00)
■今まで比較的天候に恵まれていたようだが、やはり「好天変じて荒天」もあるね。雨の中を7時間も歩いたことが無いので何とも言えぬが馬鹿馬鹿しくなる気持が分からぬでもない。しかし歩いている時何を考えているのか、ひょっとすると「空しさというか無というか"空"の境地」に一歩近づいたのではないか。しかし風雨にめげず事も無げに30キロ40キロと歩いているが、武チャンの体は一体どうなっているのか。
ところで今日お昼に真寿美姫に逢って来た。貴兄の伝言を伝えるとともに彼女の伝言を預かったので謹んで承れ。「納札ありがとう。最近とても身体が軽くて調子がいいのは、そのせいだったんだ。帰ったら又いろいろ聞かせてね。楽しみに待っています。」いよいよ伊予入りで後半戦突入、無理をせず着実に.....。(5/13 pm14:20)
40 観自在寺
615.4
伊予入
5/13
■土佐国最後の39番延光寺近くの宿から、今朝出立。三日続きの雨でまたカッパを纏って39番観自在寺へ....土佐/伊予を分ける国境の松尾峠の遍路道を通れり。山頂には『従是東土佐国』と『従是西伊予国宇和島藩支配地』と記した約六尺の江戸時代の石柱。おかしいので写生をす。
峠から一望できる土佐宿毛の海は埋立地が島に迫っていて幻滅せり!空海が歩いた時代は美しい景観だったのだろう。峠には茶屋があって"だんご/茶/わらじ"を売っていたという。明日は41、42の直ぐ手前まで35Kmぐらいの道程か?海と島の配置が美しい室手海岸近く内海町で泊。(5/13 pm20:05)
■連日の雨中の行軍ご苦労さま。伊予入りおめでとう。今、本を見ている。松尾峠から宿毛湾を望む美しい写真が載っているが埋め立てられているとは残念。わらじを売る茶屋もいいね。明日も天気は良くないようだね。この辺りで少し雨宿りもいいのでは?GOOD NIGHT! (5/13 pm21:32)
41 龍光寺
42 仏木寺
43 明石寺
676.7
5/14
5/15
■宇和町にて23泊目五日続きの雨。誰に指図されている訳でもないのに、朝食を済ませ合羽着て7:00出立。芝刈り(&海釣り)用に買った合羽がかくも役立つとは…。また"月給鳥"の時分、雨降り日は仮病を使って休みたかったのに!(休んだこと多多あり)これは一体どういう精神状態なのだろう?怠け者だった"鳥族"でも、41,42,43(明石寺)をキチンと打って、14:00過ぎ宿に入り。
今日の歩みは28Km,延べ630Kmになれり。 『観光に非ず、修行に非ず』 『何の悲壮感も抱かずの自分探しの旅』 気は楽だよね!今迄に巡り会った男80・女75歳に比べれば、63歳は若手だものね。(5/15 pm20:23)
■感服!感服!五日間連続の「雨中の行軍150km」、考えるだけでもうんざりする。まさに修業、ひたすら歩く時何を考えて歩いているのか。宇和島湾を過ぎ、43番明石寺から内陸コースに移ることになるね。天候の回復を祈っている。「阿波は発心の道場、土佐は修業の道場、伊予は菩提の道場、讃岐は涅槃の道場」と本にあるが、菩提=悟り。如何かな? 本日は些か酩酊気味、失礼の段お許しあれ。(5/15 pm21:29)
44 大宝寺
746.9
5/16
5/17
■お遍路さんも多彩!統計では年間約30万人位が何らかの形で四国札所を廻っている様だ。その内、歩き遍路は凡そ千人程度だったのが、最近若年層が特に増えて3,000人位(1%)になったという。景気(リストラ・就職難・フリーター増)もかなり影響しているとか。
白装束に身を固め・菅傘をかぶり・輪袈裟を首に掛け・手首に数珠巻いて・ズダ袋を肩に・納め札入れを首から下げて・手にてっこ・鈴がついた金剛杖をチャリン チャリンとつきながら旧街道の『遍路道』をリュックサック背負って、全天候を原始的にひたすら歩く.....若い者には一つのスポーツ的ファッションなのかもネ!特に若い女性お遍路には、なかなかのお色気を感じる!! (5/16 pm20:09)
■お遍路に若者が増えているとは驚きだね。悩み多き若者が増えているとはとても思えないが.....でも若き女性のお遍路さんなど蠱惑的で煩悩をくすぐるのでは?これを乗り越えるのも修業の一つか(特に誰かさんには)。今日は久し振りの晴天、青葉若葉が目にしみたのではないかな。満月を拝しながら今帰宅したところ。明日もいい日でありますように。(5/16 pm22:30)
45 岩屋寺
46 浄瑠璃寺
47 八坂寺
48 西林寺
49 浄土寺
50 繁多寺
51 石手寺
52 太山寺
53 円明寺
805.9
5/18
5/19
■松山市に入って46番浄瑠璃寺を打って、門前にある江戸時代からの旅籠だという長珍屋で泊。今日は47〜53番円明寺まで7寺も打ってしまった。51番石手寺に納経12:00。直ぐそばが道後温泉。昼食を歓楽街にある寿司屋で久し振りに麦酒で舌鼓。酔い覚ましも兼ねて旧い方の『坊ちゃん湯』で真昼の"NEWYORK"、お天道さまが高い内に宿に入ってもやることも無い。14:00『歩いちゃうか!』と、52、53番円明寺まで14Km歩き納経。17:00過ぎに宿に入れり。今日の歩行は38Km弱、延べで750Kmとなった。明日は54延命寺までの35Kmの行程。よく歩いた!もう寝っか。以上(5/19 pm20:32)
■週末から便りが無くチョット心配していた。相変わらず凄いペースだね。『坊ちゃん湯』で修業の疲れを癒す…どんな気分だろうか。しかし酒を飲んで湯に入った後14Kmも歩くなんて!まさか千鳥足ではなかったろうね。明日は瀬戸内の潮風か。あと300Kmじっくり楽しんで…。(5/19 pm22:03)
54 延命寺
55 南光坊
56 泰山寺
57 栄福寺
58 仙遊寺
59 国分寺
60 横峰寺
61 香園寺
62 宝寿寺
63 吉祥寺
64 前神寺
65 三角寺
952.3
5/20
5/21
5/22
5/23
5/24
■ご心配をお掛けしまして失礼に候!朝、西条市からの高い山並みを見ながら加茂川を渡れり霊峰 石鎚山はドレ?、登校中の中高生に尋ねるも誰も僕知らん!親は子に一体何を教えているのだろう!! 偏差値の方が大事?"南無大師遍照金剛"の見えざる引力?により益々好調に歩を進めている(30Km/perDay)
明日は伊予最後の65番△寺を打って菩提道場を済ませ、讃岐"涅槃道場"(23寺)にむかう。
今日で31泊目、万歩計は880kmを示している。いろいろの方(遍路している仲間・四国の現地在住の方〜同性/異性を含めて)との出会いを楽しみながら、暇潰し・癒し、ある意味では贅沢な旅を満喫している。(我が清須村の菜園の夏野菜の出来栄えを心配しながらも!)伊予三島市の宿で夕食後に瀬戸内に落ちる夕陽を拝んだ。以上。(5/23 pm21:30)
■しばらく.....好天気で捗っているかな?それとも暑さでグロッキー?余計なことかもしれないが便りがないと心配になる。ところで明日は燦々会森ちゃんを祝う シングル メモリアル コンペの日。武ちゃんのことを聞かれたら何と言っておこうかね。満願成就も間近か!とでも?では元気メールを待っている。(5/23 pm17:11)

■△寺に約3Km、相変わらず快調だね。安心した。こちらの計算では900kmを越えている。いよいよ讃岐も間近か、第四コーナーにさしかかった。SARSも安全宣言が出ているので大丈夫、頑張って。(5/23 pm23:18)
66 雲辺寺
67 大興寺
68 神恵院
69 観音寺
70 本山寺
71 弥谷寺
72 曼荼羅寺
73 出釈迦寺
74 甲山寺
75 善通寺
1017.3
讃岐入
5/25
5/26
■四国霊場最高峰雲辺寺拝めり。昔の人はさして高くもない山の寺にハイカラネーミングをしたものだ。"千尋の谷"とかの中国流の表現で、たった900mなのだが、"雲の辺りにある"なんぞは、なかなか趣がある。寺院の周りの森が深く展望はいまいちだった。遍路道の急な難場として登り3時間で表記されているが、1.5時間で登って健脚のグループに入っているようだ。歳の割りから悪い気はしない。
昨夜の宿では男子で最年少:71、68、66、小生。若女3名。焼山寺800m横峰寺700m大瀧寺610m鶴林寺550mの順らしい。70番本山寺まで打った。 今日は雨中の金刀比羅さん詣でとなり、75番善通寺あたりまで足を延ばせるか。(5/26 am5:51)
■おはよう!今日も快調のようだね。讃岐に入ってもう本山寺か、あと香川の北辺を回り込めば完了だね。今日は生憎の雨模様、足元に気をつけて「涅槃道場」の修業を続けられたい。ところで下界の話題!一昨日燦々会で森ちゃんのお祝いコンペをやった。好天下 存分に身体を解してきた。スコアは問題外。では「生まれ変わりの道」健闘を祈る(5/26 am6:58)
76 金倉寺
77 道隆寺
78 郷照寺
79 高照院
80 国分寺
81 白峰寺
82 根香寺
83 一宮寺
1070.2
5/27
5/28
■83番一宮寺まで打った。空海生誕の地善通寺の境内はさすがに広い。社格を示す土塀の線も5本あった。門のすぐ脇にある宿に泊ったので夕べも朝も参拝、本堂の前で太極拳を奉納せり。天才空海を育んだ山と河の風景も遠くの場所から写生した。
空海が遣唐使として入唐(804年)して1200年祭とか、飽きずによく勘定していて人集め・商売に余念がない。次は遣唐使帰朝1200年祭となる。門前の宿に投宿したあと雨もあがったので、金刀比羅宮まで足を延ばせり。映画二十四の瞳で参道の店で働いていた坊やのウドン屋を探したが×。宿の風呂で映画で流れていた旋律"ハマベノウタ"を歌えり。 (5/28 pm21:19)
■83番一宮寺か、いよいよ満願成就も指呼の間....それにしても益々の余裕だね。太極拳、写生、二十四の瞳、武ちゃんの人間的滋味が漂ってくるようだ。今夜は高松泊りかな?明日は一気に50キロを踏破し88番大窪寺?いや、じっくり最後の行脚に身を委ねるか。どうフィニッシュを決めるか楽しみだ。そうこうしているうちに日付が変わってしまった。おやすみ。(5/29 am0:09)
84 屋島寺
85 八栗寺
86 志度寺
87 長尾寺
1105.7
5/29
■きのうは讃岐最後の"遍路ころがし札所"白峰寺を打つ日だったので、高松に着いてから栗林公園を観ようと、かなり飛ばして歩き、目標を果たした。3、40分庭内を散策、なかなかのものだ。最初に造園を手がけたという生駒氏って、信長のスポンサーだった尾張江南の生駒氏(側室 吉乃の実家)でしょ?そんな訳で公園すぐ前のビジネスホテルに泊っている。今日は84〜87と打って37泊目をして、結願大窪寺は明日になる。『陰の強力応援団:Mr.Hata氏』の存在とその励ましに多大の感謝をしている。ではまた。(5/29 am5:48)

■先ずは、あと1つしか無いので名残惜しい気持だ!お四国霊場は螺旋状円環になっているので何回も廻る人がいるのだという。極めて東洋的な考え方で大宇宙の大星雲の渦巻き同様、大極の世界に辿り着くことらしい。
そういう意味で最後の88番大窪寺を打った後に、1番霊山寺まで歩いて、お礼参り・結願報告をして環を完結させる遍路も多いとか。完結といっても中1泊の40Kmあってそうは簡単ではない。誤差範囲?だが台風で天気が思わしくない様だ。 その後高野山詣で→大阪で船の仲間から祝福を受け→貴兄と『みわ』ではまた。(5/29 pm17:12)
■只今電車の中、昨夜飲み過ぎでユックリのご出勤。『陰の応援団』などと言われるとおこがましい限りで、こちらの方こそ四国の山河とお遍路スタイルを想像しながらおおいに楽しませて貰っており感謝している。
それも後二日か.....チョッピリ淋しいが結願を喜ぶべきだろうね。しかし凄いヤツだね。「みわ」での凱旋・傾杯が楽しみだ。 (5/29 am8:40)

■ いよいよだ。88番で結願!その後も色々大変だね。高野山は報告参拝ということかな? 成就の感慨に浸りながら高野聖の道を征く.....いいね。明日は花火でも打ち上げたい気分だが天気がチョット心配。今日はこれから前祝に祝杯をあげてくる。では。(5/29 pm17:44)
88 大窪寺
1118.5
5/30
■88番大窪寺に参拝 納経、結願せり。(10:00)今日が四国で最後のお寺参りとなる。この行き先で結願前に足を挫いたり、転んで怪我でもしたらミもフタもないと、何時もより構えが慎重になる。長尾寺門前の宿の女将さんも朝食で宿泊客全員に黄身が二つある生卵を出してくれて無事結願の縁起を担いでくれり。
6:30最後の出陣。約16Kmの遍路道の標識や道の土石や落ち葉の感触を靴裏でかみしめながら歩を運ぶ....女体山(788m:イイ ナマエ!)に登ってから、奥の院を参って大窪寺の境内に下りていく難しいコースを選ぶ。お堂を参拝、納経、帷子の最後に残った1つに寺社名押印10時結願。宿で一緒だった仲間と思わず握手。麦酒で祝杯!(5/30 pm16:48)

■『陰の強力応援団:Mr.Hata氏』には、その折々に励ましのメッセージをたくさん頂いて感謝!! また、先行して勝手に?祝杯まで挙げて貰っていて嬉しい限りだ。
今晩泊った宿の女将さんが夕食時に『赤飯』を出してくれ、抱き合うようにして喜び祝ってくれた。結願の麦酒の味も格別だった。泊っていただくお客さまは何時も『同行二人』の大師様のつもりで接しているのですよ、ありがたいことです...と。小生も大師様身代わりで『お接待』を以下10数回お受けしている。 現金 : 1000円 、500円、200円、100円 物品 : 蒸かし芋、菓子、網入ミカン、お茶ボトル、タオルハンカチ民宿のおばさん達はみな底抜けにお人好しで明るい。お四国の風土・遍路の歴史を如実に表わしている。四国の人たちの暖かい眼差しと迎え容れあってこそ歩けた実感。
ところで、今日のジャイアンツはトラを一方的にねじ伏せて強かったね! 明日負けたら、今日の勝ちが無為になるので、シッカリと応援されたい。(5/30 pm22:42)
■「お四国曼荼羅満願成就」あめでとう。1100Km(東京から下関までの距離)を38日間で踏破し、標準比 記録的な快挙である。雨の日も風の日も休むことなく一日平均30kmの行脚はただ事ではなく感動した。
浮世を忘れ無心に歩を進める「行者」に雑音メールの数々、ひらにお許しあれ!伴侶を喪ったショックから事も無げに立ち直ったかに見える貴兄の生き様に、余人の助けなど不要の逞しさを感じていたが、四国路1千キロ余、「南無大師遍照金剛」の見えざる力を信じ歩きつづけて得たものは何か?酌み交わす杯からこぼれる「一適」に期待している。(5/30 pm16:49)

■まだ飲んでいるかい?ビールの味も最高だろうね。台風の影響で雨足も激しくなっていると思うがそれも心地よいBGMなのでは?こちらもジャイアンツの快勝も加えて祝杯を重ね今帰りの電車の中。いい気分だ。明日は雨中のゴルフ、今夜はぐっすり眠りたいね。ではGood Night(5/30 pm21:40)

■お四国の人情が伝わるね。幸せそうな表情が目に浮かぶ。本当におめでとう。(5/30 pm23:10)
10 切幡寺
 1 霊山寺
41.1
5/30
(5/29 pm17:12メール参照)円環・結願お礼詣
高野山詣
奥の院
金剛峰寺
5/31
■高野山に辿れり、宿坊にて一夜台風の影響を若干受けるも双六の「上がり」である高野山奥の院での参拝・納経が済めり。わが帷子に所狭しと八十八の寺社名・印が並び、最後に背の真ん中『南無大師遍照金剛』の字の下に高野山が寺社印と結願日(5/31)を記してくれて締める....。
なかなか良く出来ているシステムだと感心。商売もうまい!(200¥/1寺)、また38日間も掛けて88寺をよくも飽きずに懲りずに廻ってきたものだ!、とも感心!!得意だった記帳漏れが一つも無くて本当によかった!!、とも実感小生、高野山は始めてで、杉の大木の木立の間を行く『奥の院』への往路復路4Kmの石畳参道は日本の歴史散策の如くであった。
奥の院の地下拝殿で老婆達数人が、今日は簾越しの即身成仏した『お大師さまの御影』が非常によく見える! と言って、 一心に『南無大師遍照金剛』を唱えて数珠を擦り合わせていた。 以上 (6/1 am9:29)
■台風も消滅し爽やかな青空が拡がっているだろうね。高野山が結願の「あがり」とは本当に良く出来ているね。『南無大師遍照金剛』の導きの終点は大師開山の高野山、数々の歴史の舞台は今新緑に輝く.....満願成就のお遍路さんの目にどう映っているだろうか。
公式の結願の日は31日ということだね。ご苦労さまでした。一ヶ月余りバーチャル気分で楽しませて貰ったことに感謝している。寺名がぎっしり書かれた帷子を早く見せて欲しい。 (6/1 pm13:54)
贈 平成15年6月3日 『みわ』にて

(了)