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10  愛車BMW320iの記憶 

平成15年3月2日(日)


愛車BMW320iが4回目の車検を受けて戻ってきた。

我が家へやって来て満9年、走行距離は地球の3.4周、実に135,000キロメートルとなっている。1年平均15,000キロ、1日平均40キロという計算になるがよく走ったものである。
その間、車体のあちらこちらを傷つけてはいるが無事故で過ごし、大きな故障も無く我が家の足として働き続けてくれているのである。
この車を世話してくれたビトー春日井自動車の美頭さん(社長であり20年来の友人)によれば「外車は概して70,000キロ位からあちこち故障が出始めるようだ。倍近く乗ってもこの調子は驚きだがまだまだ乗れるよ」とのご託宣。
定期点検を怠らず、エンジンオイルもこまめに交換していることが効いているのであろうが、何といっても日頃の手入れなど「愛車の心掛け」に応えてくれているのではないだろうか。

思えば5代目の愛車として前任のクレスタ(10年2か月で走行距離169,000キロ)に代って我が家の一員になったのは、9年前の平成6年まだ春浅き3月9日のことであった。
そこで当時の日記「こもれび」を繰りながら新車選びの心ときめく記憶を辿ってみる。

前年の7月から出向していた会社に転籍する丁度その頃であった。
慌しい仕事の合間に車の買い替え計画を進めていたのだが、ディーラー廻りで気を吐いたのは芳子(妻)で、せっせとあちこち覗いていたある日曜日(2月6日)「外車もいいんじゃない?」と誘われるままに春日井のBMW専門ディーラーを訪ねた。
割高で故障が多くメンテナンスも不便と聞いているので殆どその気は無く、またBMWときいても「若者好みのベーエムヴェー」ぐらいの知識しか持ち合わせていなかったのだが.....。
店内に入った途端、ロビーに並んだBMWのプロポーション、特に正面から見たその「精悍な表情」にすっかり魅了されてしまった。
感性に響いたといえば大袈裟かも知れないが、「これだ!」という感じなのである。
一目で気に入ってしまった私の変身ぶりに芳子は口をあんぐり.....無論芳子はまんざらであろう筈も無い。
店員の説明を受けながら運転席に座ってみたり計器をなぶったりしばらく堪能した後、パンフレットやカタログを貰って帰る。

かくして急速にBMWに傾斜した車選びは、次に「LEFTY」など外車専門誌の研究に移る。
エンジン性能、特に4,000から5,000rpmでの加速性能、ABSブレーキング・システム、205サイズのタイヤとロードホールディング、など掲載されているディテイルにますます魅入られるばかり、何といっても車体が小さい割にホイールベースが長く、しっかり路面を掴む感じの正面から見たどっしりしたプロポーションが欧州車独特の風格を醸し出している。
フロントグリルがまたお気に入りだ。
強靭な対型の腎臓を意味する「キドニーグリル」を中央に配したBMW伝統の独特のもので、青と白のエンブレムとともに愛好家の自慢であり誇りとなっている。
まさに「コンパクト・ハイオーナー・スポーツセダン」で狭い我が家のカーポートにもピッタリサイズなのである。
問題は値段 !! マイナーチェンジ直後なので旧型が値打ちと聞いたが、320iクラスで、諸経費を加えると460万円の買い物であることと、ハイオクガソリンが推奨となっていて燃費もリッター8から9キロ程度と維持費が高くつくことである。
しかし、退職金も入ったことだしこの程度の贅沢は許されるだろうと、決断するのにあまり時間はかからなかった。
それほど魅力的であったということになるのであるが、 最後に全幅の信頼を寄せている美頭さんに相談したら「国産車に比べると故障が多いが、そのことを承知の上なら、外車の中ではドイツ車が一番」とのことで、正式に決めて購入に関する全権を委任したのである。(2月14日)
2週間程して登録番号「岐阜77ぬ90−82」の知らせがあった。
ところが登録手続中に路上で追突されるというハプニングで納車が10日ばかり遅れる事態に。
しかしこれが幸いにも代りの同型車が無く、今年発売されたばかりの新型車が納入されることになった。無論値段は同じで何が幸いするかわからない。

そんな好運(?)も手伝っていよいよ待望の納車日、登録番号は「岐阜77ね21−10」と今度はいたってシンプルで覚えやすい。 3月9日(木)この際とばかりに会社を早退し胸をときめかせながらビトー春日井自動車へ行く。
ダークブルーの精悍な風貌のBMW320iが待っていた。
新車独特の匂いのシートに身を沈める。美頭さんからひととおり説明を受けたが、基本機能は国産車と代ることは無いが、右ハンドル仕様に変更しているため方向指示とウィンドウウォッシャー操作が逆になっている点が慣れるまでちょっと使いづらい。
ダッシュボードはスポーツカー感覚で見やすく、スピードメーターに最速260キロの表示があることや、燃費を示すメーターがついている点が目を引く。
いよいよ美頭さんらに見送られて家へ向った。

路面の感触が伝わる力強い走りや加速時に沈みこむような独特の乗り心地を実感しながら緊張しての運転であったが無事帰宅、飛び出してきた芳子とともに写真を撮ったり飽くことなく眺めつ眇めつしたりして、久し振りに少年に戻ったようなトキメキを味わったものである。

以上が私とBMWとの出会いの全てである。
以降、無事故無違反で表彰を受けたかと思えば、36キロオーバーで捕まり罰金を6万円も払ったり、早暁の東名で時速1?0キロを体感したりしたが、概ね無事に今日を迎えているのも大切に扱う愛車精神の賜物と自負している。加えて親身になってメンテナンスをしてくれる美頭さんのお陰でもあり、毎年欠かさずお参りしている犬山成田さんのご加護のお陰でもあろうか。

9年経ってもなお新鮮さを失わず私の心を惹きつける魅力的なフォルムは、車選びの正しさと誇りと幸わせを今でも感じさせてくれているのである。4回目の車検を終えてあとしばらくお付き合い願うことになるが、よろしく頼むと休日にはせっせと洗車とワックスがけに励むこの頃である。
(写真は平成6年6月飛騨せせらぎ街道でのご機嫌の”3”ショット。新緑の森をバックに宣伝用スチール??。遠くから見る限り...)

(了)