こも豆腐 ワラで包んで豆腐を煮込む・・・・・・もともと保存食として工夫されたもので必ずしも飛騨の”専売特許”ではないが、人の集まる時には欠かせない一品で飛騨伝統の料理である。豆腐に沁みこんだワラの香りと模様が特徴で、お祭りや婚礼の膳、正月料理、法事のお斎などには必ず添えられてきた懐かしい料理だ。 飛騨の他に鳥取や茨城にも同名の郷土料理があるが、豆腐の芯に野菜を入れるなど風味は全く違うものである。 昔は家庭で普通の豆腐から作っていたものだが、今では豆腐屋で作ったもの(下記”作り方”の1から3まで)を買ってきて料理するようになっている。 「こも豆腐」が飛騨の”ごっつぉ”の常連として君臨する最大のポイントは豆腐のなかにできる無数の穴”鬆(す)”にある。この鬆(す)が煮物にしたときに出し汁をよく沁みこませて実に芳醇な味を生みだしているのだ。 帰郷の折に姉さんが作ってくれる「こも豆腐」は時間をかけてじっくり煮込んである。大好物の「小芋の煮っころがし」と並ぶと、それはもう私にとってはこたえられない「おふくろの味”双璧”」なのだ。(写真) そこでその伝統の作り方を紹介する。 (「伝統料理・郷土料理のレシピ」など から)
|