八幡堀(近江八幡)
朝の八幡堀は静かであった。訪れる人もまばらで遠く晩夏を告げるつくつく法師の声が聞こえる。出を待つ遊覧船にまだ人影はない。無風の水面は鏡のように白壁を映し、朝陽が描き出す逆光の彩が絵心を奮い立たせる。現場スケッチからさらに焦点を絞って水辺に浮かぶ遊覧船を主役に油彩画に描き直した。可児市展に出展入選令和元年9月(F20号)